任意整理の無料相談であなたの借金が減額できることが分かったら、次に問題になるのがどの弁護士に任意整理を依頼するかです。
任意整理や債務整理を取り扱っている弁護士や法律事務所は多くあります。しかし、任意整理を依頼するなら、任意整理に強い弁護士を選びたいと思うのは当然です。
そこで、本記事では任意整理に強い弁護士を選ぶために、任意整理に強い弁護士の特徴を説明します。
この記事を読んで分かること
- 任意整理に強い弁護士を選ぶときのポイント
- 毎月の返済金額を減らしてくれる任意整理に強い弁護士の選び方
- 任意整理に強い弁護士を選ぶために法律相談で聞くべき事項
2009年 京都大学法学部卒業
2011年 京都大学法科大学院修了
2011年 司法試験合格
2012年~2016年 森・濱田松本法律事務所所属
2016年~ アイシア法律事務所開業
はじめに
任意整理や債務整理は数多くの弁護士や法律事務所が注力しています。そのため、任意整理や債務整理は簡単な案件分野だと考えている弁護士も一部にはいるようです。
しかし、債務整理の中でも、借金が消滅するという効果が明確な自己破産と比べ、任意整理は貸金業者との交渉次第で大きく結果が異なります。この点で、任意整理に強い弁護士を選ぶ必要性が高いと言えます。
また、任意整理は定型的な事務作業が多いため、弁護士でなく事務員を利用して大量に案件処理が可能です。
たしかに、任意整理の前提となる引き直し計算や簡単な書面のやり取りは事務員でも行うことができます。
しかし、あなたの生活状況に基づいて借金返済の原資をどう確保するかを考えたり、貸金業者とギリギリの交渉をするためには任意整理に強い弁護士が必要です。
任意整理を依頼するときはどんな弁護士や法律事務所でも良いのではなく、任意整理に強い弁護士を選ぶことを意識する必要があります。
1. 貸金業者に関する知識の豊富さ
任意整理に強い弁護士の特徴として貸金業者に関する知識が豊富であるかが挙げられます。
1.-(1) 貸金業者の手の内を知っている任意整理に強い弁護士
任意整理は、貸金業者と交渉を行って返済金額や返済金額を決める必要があります。しかし、貸金業者と一口に言っても、各業者によって任意整理の対応は異なります。
任意整理に強い弁護士は、豊富な任意整理の経験に基づいて、貸金業者ごとの対応方針の知識をノウハウとして蓄積しています。
あなたが借金をしている貸金業者がどの程度まで譲歩できるかという貸金業者の手の内を知っているからこそ、最大限有利な条件で任意整理の和解交渉を進められるのが任意整理に強い弁護士の特徴です。
1.-(2) きめ細やかな対応を可能とする任意整理に強い弁護士
また、貸金業者に対する知識が豊富だからこそ、任意整理に強い弁護士はきめ細やかな対応が可能となります。
例えば、貸金業者のグループ関係や資本関係を知っていれば、あなたが借金をしているクレジットカードと自動車ローンが同系列であることに任意整理に強い弁護士は気付くことができます。
たしかに任意整理は対象とする借金を選べるため住宅や自動車を取り上げられないように住宅ローンや自動車ローンを対象から外すことができます。
(参考)任意整理Q&A「住宅や自動車を残したまま任意整理をできますか?」
しかし、任意整理の対象となるクレジットカートと自動車ローンが同系列の会社であれば意味がない場合もあります。任意整理に強い弁護士であれば、このような場合に自動車ローンを対象外としても意味がないとアドバイスができます。
このように貸金業者に対する知識が豊富だからこそ、きめ細やかな対応ができるのが任意整理に強い弁護士の特徴です。
2. 長期分割払いの粘り強い交渉力
長期分割払いを実現できる任意整理に強い弁護士であれば、毎月の返済金額を大きく減らすことが可能です。
2.-(1) 返済期間が伸びれば毎月の返済金額を大幅に減額
任意整理の目的として、借金の返済金額を減らすことで生活にゆとりを取り戻すことがあります。
そして、毎月の返済金額と返済期間は大きな関係があります。なぜなら、任意整理は、遅延損害金や将来利息をカットして、借金元本を毎月返済していくため、返済期間が伸びれば毎月の返済金額が減るからです。
例えば、借金元本が180万円あるとして、返済期間が3年間(36回払い)であれば毎月5万円の返済なのに対し、返済期間が5年間(60回払い)であれば毎月3万円の返済となります。
仮に、任意整理に強い弁護士のおかげで毎月2万円の余裕ができれば生活は一変します。長期分割払いの交渉を粘り強く実現するのが任意整理に強い弁護士と言えるでしょう。
2.-(2) 個別対応と定型対応のメリット・デメリット
任意整理に強い弁護士を選ぶときに、大量に案件を処理する体制があるため迅速・確実に対応してくれる点はメリットです。
もっとも、大量の処理を実現するためには貸金業者との間で定型的に対応する必要があります。
定型対応ができるのは貸金業者の知識が豊富なためであり、必ずしも任意整理に弱いわけではありません。
しかし、貸金業者の一般的な対応方針に基づいて返済期間を交渉を定型的に行うため、あなたの個別事情が十分考慮されないリスクもあり得ます。
他方で、個別事情を踏まえて貸金業者と交渉を行うと解決まで時間がかかるデメリットがあります。
しかし、長期の分割払いを実現するために粘り強く交渉を行う点では任意整理に強い弁護士と言えます。
ある法律事務所では「3年で分割払いをする」旨の説明をされたのに、他の法律事務所では「3~5年の分割払いをする」と説明されることがあるのは、任意整理に強い弁護士や法律事務所でも強みが違うためです。
「3年の分割払い」は迅速・大量な案件処理のために、弁護士や法律事務所の内部的なマニュアルによって定められている可能性もあります。
他方で、1人でやっているような弁護士事務所で10年の分割払いになったケースもあると説明されたとすると、その弁護士は個別事情を最大限主張して長期の分割払いを勝ち取った任意整理に強い弁護士かもしれません。
任意整理に強い弁護士や法律事務所と言っても様々な観点があり得ます。
しかし、生活にゆとりを取り戻したい、毎月の返済金額をできるだけ減額したいと思われるなら、長期の分割払いを粘り強く交渉してくれるかの観点から任意整理に強い弁護士を選ぶことをおすすめします。
3. 訴訟手続に対する積極的な姿勢
任意整理は過払い金返還請求と深い関連があります。任意整理は貸金業者との交渉ですが、過払い金返還請求は場合によっては訴訟手続に発展するものです。
従って、任意整理に強い弁護士であれば、訴訟手続を積極的に行ってでも、過払い金を最大限勝ち取ってくれると言えます。
3.-(1) 借金を10年以上返済している方へ
この観点から任意整理に強い弁護士を選ぶ必要が高いのは借金を10年以上返済している方です。
もし、あなたが借金を始めたのが10年以上前であれば、任意整理を依頼することで借金を大幅に減額し、さらに過払い金が返ってくる可能性があります。
任意整理を行って過払い金が返ってくるのであれば、訴訟手続に積極的な任意整理に強い弁護士を選ぶことをおすすめします。
3.-(2) 訴訟手続と過払い金
なぜ訴訟手続を積極的に行う任意整理に強い弁護士が良いかですが、訴訟手続を行うとより多くの過払い金が返ってくる可能性があるからです。
過払い金の返還請求は、貸金業者との交渉をまず行いますが、金額で折り合いがつかなければ訴訟手続を行う必要があります。
しかし、貸金業者は交渉では、過払い金の見込みや適正金額を低く見積もるため、任意整理に強い弁護士が主張する過払い金の金額と開きが生じます。
また、貸金業者の中には、内部的に交渉では例えば過払い金の8割までしか和解に応じない等の基準を設けているところもあるようです。従って、満額の過払い金を得ようと思えれば、訴訟手続を積極的に行うという点で任意整理に強い弁護士を選ぶ必要があります。
3.-(3) 裁判所からの信頼
さらに言えば、任意整理に強い弁護士を選ぶためには、弁護士や法律事務所がどの程度の「任意整理以外の案件」に取り組んでいるかを確認することも有効です。
過払い金の返還請求訴訟は、単に訴訟手続を取れば良いだけでなく、時効の成否や取引の一連性等の複雑な判断を伴うものです。
難しい判断が必要なときに勝訴するためには裁判所からの信頼もポイントになります。この点で任意整理以外の案件への取組姿勢も、弁護士や法律事務所に対する裁判所の信頼に関わるからです。
任意整理に強い弁護士は、任意整理や過払い金の知識に加えて、様々な案件にきちんと取り組むことで裁判所から信頼を得ている弁護士や法律事務所であると言えるでしょう。
4. 借金の悩みを解決して生活再建をサポート
任意整理は借金の悩みを解決する手段であるため、任意整理の解決には生活状況を把握して生活再建を行う必要があります。
従って、任意整理に強い弁護士は、借金の悩みを解決して生活再建をサポートするカウンセラーとしての役割も求められます。
借金を返済できず任意整理を行う方は大きな悩みを抱えていることがほとんどです。例えば、家族関係のストレスからついつい買い物をしたり、寂しさから飲み歩いたりが借金の原因であることが少なくありません。
借金の原因と生活状況を見極めて、どの程度の返済原資を確保できるかを検討し、任意整理を行う必要があります。
あなたの借金の悩みを理解し、任意整理を行って生活再建をサポートしてくれるのが任意整理に強い弁護士の特徴です。
任意整理に強い弁護士が悩みに共感してくれ、励ましてくれたおかげで、ゆとりある生活を取り戻せたという声もあります。あなたと弁護士の相性も含めて、人柄の観点からも任意整理に強い弁護士を選ぶことが考えられます。
5. 任意整理の迅速な解決
任意整理に強い弁護士の特徴として、任意整理の迅速な解決という観点も挙げられます。任意整理の流れに沿って説明します。
(参考)任意整理の流れ
5.-(1) 任意整理の法律相談における対応
任意整理に強い弁護士を選ぶときの出発点は法律相談です。
原則として任意整理は来所して法律相談をする必要がありますが、法律相談の予約は電話やメールで行います。
電話やメールで任意整理の法律相談を予約するときの対応で、任意整理に強い弁護士や法律事務所かを感じ取ることができる場合もあります。
任意整理の法律相談は来所する必要があるのは弁護士会の決まりですが、そもそも相談内容が任意整理の法律相談として対応できるかは電話等で教えてくれる場合もあります。
また、法律相談は弁護士と直接話す機会なので、任意整理に強い弁護士を選ぶために重要です。
任意整理の法律相談では以下の点がポイントになりますが、任意整理に強い弁護士や法律事務所であれば要領よくポイントを押さえたヒアリングを行うはずです。
- 借金の総額や借入先数
- 家計の状況(収入や生活費)
- どのような資産があるか(とくに持家や自動車)
- 任意整理の方針
また、任意整理の法律相談では以下の点で的確にアドバイスして貰えるかを弁護士に質問しましょう。
- あなたの借金について貸金業者毎に気をつける点
- どの程度の長期分割払いについて交渉して貰えるか
- 過払い金が生じるか及び満額回収できるかの見通し
- 任意整理の解決までに要する期間
5.-(2) 任意整理を依頼した後の対応
任意整理を依頼した後に迅速に解決をできるかは任意整理に強い弁護士を選ぶ上でのポイントです。
一般的に任意整理は定型的に処理できる案件分野だと言われますが、とくに定型的に処理できる事務作業について事務員を上手く活用して高度なオペレーションを構築している任意整理に強い弁護士や法律事務所もあります。
既に述べたように、任意整理を定型的に処理するためには、個別事情を踏まえて粘り強く交渉ができない等のデメリットもあります。
定型処理や迅速な解決を重視するのか、又はできるだけ長期分割払いにして毎月の返済金額を減額するのかは、任意整理に強い弁護士の強みが異なる点です。
あなたが弁護士に求めるものを踏まえて、任意整理に強い弁護士を選んでいただければと思います。
なお、任意整理に強い弁護士に依頼した後に迅速な解決を期待するとしても、解決までにはある程度の期間を要します。
任意整理は貸金業者との交渉を行う必要があり、貸金業者という相手がいるためです。
とくに任意整理を依頼した直後は弁護士が受任通知を送付するとともに、取引履歴の開示を求めます。
そして、取引履歴が開示されるまでは案件処理が進みません。弁護士に依頼した直後にしばらく待つ必要がある点は予め理解しておきましょう。
無料相談で任意整理に強い弁護士を選ぶ
(参考)任意整理の無料相談なら
任意整理は多くの弁護士や法律事務所が無料相談を行っています。任意整理に強い弁護士を選ぶためには、まずは任意整理の無料相談で弁護士と直接話してみることをおすすめします。
任意整理に強い弁護士を選ぶために本記事を是非参考にしてください。